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美容専門誌への道 ~Episode1~
BOOKはすべてを物語る

インタビュー

2016.09.13.Tue

1

「有名になりたい」「幅広く活躍したい」「より多くのヘアデザインを発信したい」……。美容師の数だけ、夢がある。その道筋には、美容師1人ひとりの紆余曲折を経た幾通りものストーリーが展開されていることだろう。

 

 そこで今回は、美容師として幅広く活躍することを目標に掲げている1人の男性美容師を紹介する。彼の人生の転機ともなった、美容専門誌に登場するまでの努力と想い、そしてこれからを覗いてみよう。

 

有名になるには?

 美容専門誌に出ると何かが変わるかもしれない。そう感じたのは、当時25歳でJr.スタイリストだったDaigoさん(広島:Anfang代表)。

「僕の運命を変えた最初の出会いは、小松利幸さん(ANTI)でした。たまたま参加したパーマのセミナーで講師をされていた小松さんの姿が、ただただかっこよかったんです。大勢の前で1人の女性のレングスをばっさりカット。すごくスタイルもかわいくて感動しました。『自分もあの場に立ちたい』そう思ったんです(Daigoさん)」

 自分のつくりたいデザインをしっかり表現できる美容師なりたい。そして、多くのデザインを自分の手で発信する。しかし、そうするためには何をすればいいのだろう……。周りの先輩美容師に聞きまわり、たどり着いたのが自分の名を広げられる美容専門誌への道だった。

「できる限りコンテストに出場しました。優勝すれば自分の名前が業界内に知れ渡り、美容専門誌の方々に声を掛けていただけると思ったからです(Daigoさん)」

 練習を積み重ねて挑んだコンテストも、そう簡単に結果は出ない。とにかく技術を上げ、コンテストに出ることを繰り返す。しかし、有名になることは安易ではなかった。

 

作品を見せるということ

 カット、ウイッグ、モデル、フォト……。さまざまなコンテストに出場していたDaigoさんだが、その傍ら技術向上のため多くのセミナーにも通っていた。

「30歳の頃に参加した西村晃一さん(Nicole.)のセミナー後の懇親会で、作品を見ていただいたんです。コンテスト以外で他の方に作品を見ていただくのは初めてで。そのとき、編集部の方に見せに行った方がいいよとアドバイスいただきました。他にも『俺だったらもう少しここのラインを切り込む』『この作品はBOOKに入れない』など、具体的なアドバイスをしてくださったんです(Daigoさん)」

 今まで、美容専門誌に作品を持ち込みに行くという思考が全くなかったが、西村さんに作品を見てもらうことで、作品を他の人に見てもらうという新しい観点が生まれた。その後、作品撮りを継続的に続けたDaigoさんは2010年、2011年と2年連続でJHA(Japan Hairdressing Awards)の中国・四国エリア賞を受賞したのだ。

 

作品をつくることの難しさ

 初めて美容専門誌にBOOKを持ち込んだのは、6~7年前のこと。その日、Daigoさんは落ち込んで帰ったという。

「『BOOKの統一感がない』『やりたいことがわからない』など、たくさん指摘をいただきました。正直ここまで言われるとは思っていなかったです(笑)。でも悔しさと同時に、次は良い評価をもらえるようにしたいって思ったんです(Daigoさん)」

 もちろん、BOOKを完成させる前にやるべきことは作品のクオリティを上げること。作品づくりを始めたばかりのDaigoさんは、ヘアはもちろんのこと、メイク、衣装、カメラすべてを自分の手で行っていた。

「そもそもカメラマンをオファーするということ自体、頭になかったんです(笑)。だからその当時の作品は、自己満足の塊だったかもしれません(Daigoさん)」

 ヘアメイク経験のあるKotomiさん(現Anfangスタッフであり、Daigoさんの奥様)にプロのカメラマンに依頼するアドバイスを受け、今までの手法を変えた。凝り固まっていた作品づくりのプロセスが、違う視点を持った人が加わることで、自分らしさとは何か、相手に届く作品とはどんなものかを考える作品撮りへと変化したのだ。

「プロのカメラマンさんにお願いをしてからは、スタッフの意見も聞くようになりました。作品のゴールは観てくださった方がどう思うかだってことに気づいたんです(Daigoさん)」

 

3冊のBOOK

 現在のDaigoさんのBOOKは合計で3冊。

 1つは、サロンワークでお客さまに見ていただけるようまとめた“ヘアカタログ”のようなもの。 a

 もう1つは、サロンのイメージとなる“キービジュアル”な作品をまとめたもの。

b

 そして、“クリエイティブ”作品をまとめた3冊で構成されている。

表紙

「BOOKを3つに分けているのは、見ていただく方に自分がどんなスタイルをつくるかわかりやすく伝えるためでもありますが、作品のテイストごとに分けることで自分の頭の中を整理することができるんです。どんなことが得意で、どんなテイストがつくれるのか。BOOKを見返して次の作品につなげるためにも工夫していますよ(Daigoさん)」

 さらに、1つひとつのBOOKの順番にも起承転結のような流れをつけるようにまとめているという。

 3つのBOOKにおいて1枚目はインパクトのある作品を入れる。

クリエイティブ

 見開きで見せるページでは、モデルの振りが同じにならないようにするなど、見開きで2つの作品を見たときのバランスを考慮している。

表紙

 そして、最後のページには特に自信がある作品にしているのだ。

最後

「飽きさせない、見ていてドキドキするようなBOOKをつくることを心掛けています。1つひとつの作品が良いものでも、全体で見たときに流れが悪かったり、テイストがバラバラでは見てくださる方も心地よくないですよね(Daigoさん)」

 今もBOOKづくりに追求しており、作品の後にその作品のプロセスやカット展開図、カラーレシピを書いたメモも一緒に入れたものを考えている。作品そのものだけでなく、自身の考えも伝わる一歩先のBOOKをつくるためだ。

 

BOOKからつながる

美容専門誌のオファー

 半年に1回はさまざまな美容専門誌にBOOK持ち込みをするDaigoさんは、髪書房にも5年ほど前から何度も足を運んでくれる美容師の一人だ。そんなDaigoさんが髪書房の誌面に初めて登場したのは、月刊BOB 2015年4月号のこと。

ぶっちぎり美容師

(月刊BOB 2015年4月号 連載『ぶっちぎり美容師』から一部引用)

 

「2014年10月にBOB編集部さん宛にBOOK持ち込みをさせていただきました。作品だけでなく、サロンワークのことも色々とお話をさせていただいた中でのオファーだったので最初は驚きました。そのときの撮影内容は、作品だけではなく、サロンワークにも密着していただく内容でしたので、美容師の本質であるサロンワークも評価していただけたのはすごく嬉しかったです(Daigoさん)」

 美容専門誌に掲載されることで名前が世の中に知れ渡り、夢である幅広く活躍する美容師のスタート地点の一歩を踏み出す。月刊BOB登場後、Daigoさんの状況は変わったのだろうか。

「連載『ぶっちぎり美容師』では、1年間の総売上を掲載しています。そのため、他の美容師さんに見られていることを考えるとドキッとしましたが、仕事へのモチベーションにつながりました。他の美容師には負けたくない。もっと売り上げを伸ばしていこうと(Daigoさん)」

 取材時の最高売上は約320万円(2014年12月)、それから最高売上は更新し約350万円(2015年12月)にまで伸ばしたのだ。

 

BOOK持ち込み後の変化

 Daigoさんの美容室は広島県のJR福山駅から車で約10分のところにある。東京まで足を運ぶのには時間的にも金銭的にも大変なこと。しかし、それにも関わらず半年に1回は必ずBOOK持ち込みに行くその行動力はどこからくるのだろう。

「とにかくまだまだ成長したいんです。BOOK持ち込みは、作品の評価をいただけるだけでなく、そのときに得られる重要な情報もあるんですよ。例えば、東京で流行っているヘアスタイルのことを聞いたり、使ったことのないヘアカラー剤のことを知ることができたり……。編集部の方に聞いた情報やアドバイスを作品に取り入れることで作品の幅が広がりましたね(Daigoさん)」

 作品のクオリティが上がることで、美容専門誌へのオファーも増える。さらに現在は、セミナーの講師としても活動し、3カ月に1回はカラーやカット、フォトなど幅広い活躍をしている。

 

厳しい現場に背を向けないこと

 美容学生の頃は教科書的な存在であった美容専門誌。それが今、少しずつ誌面に取り上げられるようになり、自分を表現できる場の1つとしてもっと作品を発信していきたいという目標へと変わる。そんなDaigoさんにこれからBOOK持ち込みを考えている美容師に向けメッセージをもらった。

「美容師になったみなさんには、それぞれの夢や目標がありますよね。僕もそうでした。有名になって幅広く活躍できる美容師になりたいと。でも願っているだけでは何も変わりません。逆を言えば、行動すれば夢や目標に近づくことができるんです。今、BOOK持ち込みを考えている方は、厳しいことを言われるんじゃないかって不安に思っている方もいると思います。確かに、厳しいことは言われます(笑)。でも厳しい言葉の中には、絶対的なヒントが隠されているということを覚えておいてほしいです。ただ作品を見てもらうだけでなく、そこからもらえる言葉の裏には可能性が広がっているんです。まずは、恐れずに行動してみませんか?(Daigoさん)」

「もっと活躍の場を広げていきたい。そのためにも、美容専門誌に出続ける努力をしなければならないと思っています」と語ってくれたDaigoさんは、今も夢に向かって全力で走っている。

 

髪書房では、皆さまのBOOK持ち込みを心よりお待ちしております! Ocappa編集部、BOB編集部宛にお持ち込みをご希望される方は、髪書房の公式LINE@までご連絡くださいね。LINE@の友だち登録がまだ!という方はLINEアプリ起動→友だち追加→ID検索に”@kamishobo”と入力してください! また、ホームページ内からも友だち登録できますよ。

 

〈Profile〉

Daigoさん(Anfang)

だいご/1978年4月3日生まれ。広島県出身。高津理容美容専門学校卒業後、大阪市内の美容室を数店舗経験し、地元福山へ帰省。2012年4月にAnfangをオープン。来年の春に福山市内で拡張移転する計画が進んでいる。2016年JHAのAREA STYLIST OF THE YEAR【中国・四国】のファイナリストとして目が離せない存在。

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