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“引き出す教育”が美容室 M.SLASH流 
スタッフの育て方/河原晴樹(M.SLASH氏)

インタビュー

2017.08.03.Thu

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M.SLASH統括ディレクター 河原晴樹氏

 

 「“正しい教育”ってなんですか?」と聞かれたら、読者のみなさんはなんて答えますか? できるようになるまで根気よく「教えること」が最初に頭に浮かびませんでしたか。「教育」した結果得られるものは、自分で考え行動できる自立した人間ですよね。

M.SLASHでは、お客さま、スタッフに関係なく、M.SLASHに関わるすべての人に幸福な人生を送ってほしいと思っています。そのためにはスタッフ1人ひとりが自分やお客さまの幸せのために何をすべきかを考え、行動できる力を身につけてほしい。そのために、M.SLASHのリーダーはスタッフを教育します。そして、ただ正解を教える教育ではなく、自分で考えられる力を引き出すことが教育だと思っています。

 この引き出す教育にシフトしてから現在、M.SLASHは2016年の1年生の在籍率が89%と“スタッフが辞めない美容室”となりました。また、コンテスターや売れっ子プレイヤーなどスタッフ1人ひとりが持ち味を生かして活躍の場を広げ続けています。

「スタッフがすぐに辞めてしまう」、「スタッフがお店の売り上げに貢献してくれない」そう嘆いているリーダーのみなさん。まずリーダーのみなさんは、スタッフになにをしてあげていますか? スタッフの人生を思って接していますか? まずはリーダーがスタッフの成長についてもっと考えるべきではないでしょうか。

 


 

 

考える力が失われた

M.SLASHの失敗

 

 以前はM.SLASHも売り上げや生産性など数字主義のサロンでした。会社が成長し続けるためにどうしたらいいのか? 経営者のほとんどは、まず生産性を高めることを考えます。生産性を高めるには早く売り上げを上げられる、即戦力の高いスタッフの育成に重点を置くようになる。では、スタッフの成長を早めるためにどうするか?

 

1. スタッフのゴール地点

(デビューに必要な技術・知識レベルの基準)を下げる

2. カリキュラムの内容をマスターできるよう、教えこむ

 

  M.SLASHも上記2のようにカリキュラムを教えるトレーナーをつくり、丁寧にカリキュラム通りの正しい技術をスタッフに教えこみました。その結果、スタッフは早くデビューできるようになり生産性も上がりました。しかしスタッフの考える力は失われ、指示されたことしかできない受け身のスタッフが育ってしまった。これではいけないと、私はまずM.SLASH が本当に求める人材はなんだ? と考えることに。

そして振り返ってみると、以前に掲げていた「自分で考え自分で行動出来るスタッフ」だと気づけたのです。 

 

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“正しいことを教えこみ、できるようにする”ではなく、

“その人自身が気づき、考え、行動するよう引き出す” 教育

 

 スタッフの考える力を高めるためにまず、リーダーは部下に教えることを禁止しました。今までは見本のスタイルをつくるために、1から順にプロセスを伝え、型通りにできているかチェックをする。しかし、新方式ではスタッフから質問されても、まずは「やってごらん」と見守るだけにとどめたのです。

当初は戸惑いを感じる人も少なくありませんでしたね。

しかし、2年後、スタッフには考える力が生まれ始めました。「このスタイルを再現するには、パネルはどう引き出して、どう切り進めるんだろう?」と、聞くことよりも先に自分で考え、挑戦するようになったんです。とても大きな変化でした。それ以来、スタッフの考える力と成長スピードを高めるための「引き出す教育」にシフトしたのです。

引き出す教育とは、「問いかけ」を行うことでスタッフの「考え」と「気づき」を促すこと。

例えば、スタイルの再現方法でも「こうやって切り進めようと思う」と言われたら「そうじゃない、こうだよ」と答えを教えるのではなく「なぜそう思ったの?」と質問します。そしたら聞かれた人は自然と答えを考えますよね。答えを与えるだけが教える教育、問いかけるのが引き出す教育です。

 

1

 

気がついている?

スタッフの成長を妨げているリーダーの特徴

 

 現在、「引き出す教育」をテーマに店長やリーダー向けのセミナーを全国各地で行っています。

何十人、何百人のリーダーと出会ううちに、

スタッフの成長を妨げているリーダーにはいくつかの特徴があるなと感じました。

 

2

 

「普通」が口癖になっていないか?

 

 スタッフに「普通はこれくらいできる」と言っていませんか?

カリキュラムに沿った教える教育だと出来上がったものに対して〇か×か、採点をつけなくてはいけません。しかし、人には苦手なこともあるし、成長スピードもさまざま。

「普通」から外れたものを「欠点」と認識してしまっては勿体ないです。もしかしたら、欠点よりももっと優れた点があるかもしれない。リーダーが「普通」の考えに縛られていてはいけません。スタッフの個性を見逃してしまうかも。技術の習得は遅いが接客が上手な子、人見知りだけど創作意欲の高い子。そんな欠点を持つ子を「普通」の枠に収めず、得意なことをさらに伸ばす努力をする。

だからM.SLASHには売り上げの高い子やコンテストで活躍する子など、常に自分の武器を持つ人材が生まれ続けるのです。

 

●計画をたてるとき、「やめる時期」まで考えていますか?

そしてスタッフに「任せている」感覚になっていませんか?

 

 キャンペーンを企画したとき、僕は必ず「いつやめるの?」と聞きます。

どんなに魅力的なキャンペーンであっても最初は勢いよく売り上げを伸ばしますが、途中で必ず中だるみします。やめる時期が不明確だとこの中だるみが続き、スタッフにとって「当たり前」の状態になり、そもそもの目的も忘れてしまいます。やめる時期が明確であれば、多少中だるみしても目標のために「最後の一押し!」と追い上げることができるのです。

 また、仕事を頼むときの指示一つでスタッフの成長を妨げる原因になっているかも。

あなたはスタッフに仕事を頼む際「これをやりなさい」、「こうしなさい」と指示していませんか? 言われたことをこなすだけの仕事では「任された」のではなく「やらされた」感覚に。そうではなく、こんなことをやりたいと思っているけど、なにかいい方法ないかな? 君だったらどうする? などスタッフ自身が考え、行動させることが大事なのです。誰だって、人からやれって言われたことよりも自分で行動したほうが楽しい。楽しいから、結果を出そうと頑張れるんです。

 

 

 いろいろ「引き出す教育」のことをお話しましたが、読者のみなさんに「気づき」はありましたか? スタッフにもっと成長してほしいと願うリーダーの皆さん。まず必要なことは自分が自分に「なぜ?」と問い、改善点に「気づき」、考えて行動できるようになることだと思います。

 僕も統括ディレクターになったからといって、自分を「引き出す」ことを怠りません。わからないことがあれば、どんなに若手のスタッフでも「教えて」と声をかけます。そうやって常に自分をアップデートすることもリーダーには必要ですね。

 


 

 

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教えるからダメなんだ! 9割のリーダーが誤解している

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