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クラウドファンディングで
オンラインサロンを立ち上げた
2代目・美容師の話

インタビュー

2019.02.13.Wed

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2017年頃から注目を集め、美容業界では教育ツールとしても定番化した「オンラインサロン」。技術や集客・経営ノウハウなど、その内容はfacebookをベースに動画や文章で共有され、多くの美容師が自身の強みを活かしてオンラインサロンを運営、また、たくさんの美容師が学んでいます。

ノウハウが必要とされる変化の時代だからこそ、変わることのない「美容師として大切にしているブレない想い」を共有し、美容師という仕事を盛り上げたい。

父から創業35年のサロンを承継した1人の美容師が、人との面白いつながりを生むクラウドファンディングに注目し、オンラインサロンを立ち上げたのは、2018年10月のこと。

その取り組みを追う、リアルレポートです。

 

川島延之/HAIR’S 代表取締役

1983年2月28日生まれ、京都府出身。九州美容学校 通信課程を終え、兵庫県の美容室で7年間修行。2015年に父が創業し35周年を迎えた京都府にある美容室『HAIR’S』3店舗、『ISM』3店舗、喫茶店1店舗の代表取締役となる。週に1度のサロンワークをこなしながら、自社経営、2017年より理美容室経営者のための団体SPC GLOBALの企画情報部にも所属し、美容師という職業を盛り上げるための活動を行う。2018年2月より美容師向けオンラインサロン『Hairdresser Labo(ヘアドレッサーラボ)』の準備をクラウドファンディングで始め、10月に立ち上げた。

オンラインサロンとは……?

(月額)会費制でネット上に展開されるクローズドなコミュニティのこと。専門的な知識を持った人が立ち上げている場合が多い。facebookの非公開グループで動画や写真、文字で知識を共有し、コンテンツに対して会員も自分の意見や質問を投稿できる。オフ会も開かれ盛り上がりをみせる。

 

“有名じゃない美容師”のオンラインサロンって!?

編集「なぜオンラインサロンをやろうと思ったんですか?」

川島「業界の垣根、住んでいる場所や環境を越えて、美容師という職業を盛り上げたいと思っていました。オンラインサロンなら、facebook上にしっかりとした映像や文章を残せるし、今後美容師を目指す人の役にも、もしかしたら立てるかもしれないと。2017年から既に何人かの有名美容師さんのオンラインサロンが盛り上がっていたこともあります」

 

編集「他の美容師さんがやっているオンラインサロンと『Hairdresser Labo』の違いは何ですか」

川島「当時、個人の強みを持った有名美容師さんが立ち上げているオンラインサロンばかりだったんですね。僕の場合はそうではなかったことと、美容師の技術は映像だけでは学べないものも多いと思っていました。お客さまのために、何でそこまで頑張るのか? 活躍している1人ひとりの美容師さんの想いの共有こそ、尊いものだと思ったんです」

 

お客さまに支持される人は、

当たり前に練習しているという事実を知ること

編集「『Hairdresser Labo』の目的は何でしょうか」

川島「まず第一に『教育格差』を失くすこと。次に、技術やノウハウではなく、想いを聞かせてもらい、共有することです」

 

編集「教育格差は川島さんご自身が感じたことがありますか?」

川島「僕は京都でサロンを経営していますが、SPC GLOBALのイベントを通して、全国で活躍する美容師さんにお会いする機会が多くありました。そのたびに刺激をもらっていましたし、うちのお店のスタッフ達にも会わせたい! と思っていました。普通に美容師をしていたのでは、そういう美容師さんが会いに来てくれることはないですからね。当たり前ですが……。でも、オンラインサロンなら、活躍する美容師さんに会えるし、その想いを聞き共有することもできるなと!

 

編集「活躍する美容師さんの話を聞く、ということはなぜ大切なんでしょうか」

川島いつも同じお店にいて、同じスタッフと働いていると、正しいことを言われていると分かっていても、お互い素直になれないという経験はないですか? 例えば、オンラインサロンに登場してくれる美容師さんたちは、全員が当たり前のように『誰よりも練習してきたから今がある』と話してくれます。『やっぱり練習って必要なんだ』と、気付いてくれるアシスタントが増えてくれたら。先輩の立場からも『正しい教育ができている』と確認になればいいなと思うんですね。いちオーナー美容師として、スタッフを頑張る方向へ引っ張るコンテンツづくりを目指しています」

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▲『Hairdresser Labo』はfacebookで配信される動画コンテンツが主軸だが、出演した美容師それぞれが会員向けに「撮影」や「サロンワーク」「集客」「教育」のノウハウを文章でも公開している。またこの記事に対して、会員は自由に質問・コメントできる。

 

ホームレス芸人・小谷さんの

クラウドファンディング結婚式がキッカケ

編集「クラウドファンディングを利用しようと思ったのはなぜですか」

川島「1日50円で何でも屋さんをしているホームレス芸人の小谷さんという方がいらっしゃるんですが。その方が、クラウドファンディングで結婚式を挙げたんです! 驚いたのはもちろんですが、クラウドファンディングを通じたいろんな人とのつながりが印象的で。普通にオンラインサロンを立ち上げるよりも、費用負担も軽減されるし、面白いつながりが生まれるかなと思いました」

 

編集「クラウドファンディングで思うように人は集まりましたか?」

川島「当初、500人集めたいと思っていたんですが。クラウドファンディングサイトの最長掲載期間が3カ月で、期間中には42名しか集まりませんでした。そこからだんだん増えて、今会員は約250人になりました。美容師さんへの告知が一番難しかったのですが、スタート後facebookを軸にして口コミで広がってくれたことは嬉しかったです。講師をご担当いただいた美容師の皆様にも販促に協力していただきました」

 

編集「『Hairdresser Labo』に登場する美容師さんは、どのようにして集めたのでしょうか」

川島「facebookやInstagramなどのSNSからご連絡して、直接お会いしてお話しをさせてもらいました。『教育格差』『想いの共有』に共感してくださる方が多く、皆さん忙しいスケジュールの中での調整が本当に大変でしたが、自分自身もやりがいを感じましたね。全部で12人の美容師にご協力いただきました」

 

お金とスケジュール管理のリアル

[お金]

・クラウドファンディングで募集した、オンラインサロン『Hairdresser Labo』の会員費

1人6,000円(2018年10月~3月の半年間の会員費、現在は1人1万円)

・3カ月間で集まった会員 42名(=286,000円)

・オンラインサロン開始後、集まった会員数合計 約250名

 

[スケジュール]

2018年2月 オンラインサロン出演美容師選定

(出演美容師にSNSから依頼、直接打合せ)

2018年5月~7月 クラウドファンディングサイトで会員募集

(出演美容師スケジュール調整、初回分動画収録)

2018年10月~3月 オンラインサロン『Hairdresser Labo』オープン

(残り10人分、5組の対談を1カ月に1回ペースで収録)

※映像撮影&編集は外部スタッフ1名に依頼

 

想いを引き出し、伝える

動画撮影現場に潜入

2018年の年末、都内のスタジオで行われた『Hairdresser Labo』の撮影に同行させてもらいました。

滋賀にある美容室『SOHO』でスタイリストとして、ヘア&メイクとしても活躍している、かあこさん。Instagramのフォロワー1万人、静岡にある美容室『cocolohair handayama』のかえこさんの対談が行われていました。

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川島「お2人ともヘアアレンジがお得意ですが、やり始めたキッカケを教えてください」

かあこ「実は、子供の美容室嫌いを無くすために始めたんです。だから、前髪カットなんかに合わせてサービスでやっていて。そのうちに、アレンジをやっていると、お客さまの卒業式や成人式など大切な時を任せてくれる存在になれることに気づいたんですね。今は自分の強みになっているなと感じています」

かえこ「私は8年前に、他の美容師さんがInstagramにヘアアレンジをアップされているのを見て、練習してみようと思ったのが始まりです。撮って自分のInstagramに載せることがレッスンにもなっていましたし、20代後半で出産して産休・育休を経て戻った時に、Instagramから来てくれるお客さまのおかげで、ブランクをあまり感じずにすみました。あと、ウエディングのメイクやヘアアレンジの依頼もいただいて、新しいことにトライするキッカケにもなりましたね」

かあこ「ヘアアレンジは、仕事というより趣味の延長かな」

かえこ「そうですね。好きだからやり続けていたら、自分の自信と強みになっていたというか」……

 

お2人の対談は、髪書房WEBZINE読者限定でこちらから特別配信中!(YouTubeにとびます)

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人と人とのつながりで、業界は発展する

編集「10月からオンラインサロンを始めて、今感じることはありますか」

川島オンラインサロンを通じた人と人とのつながりで、僕たちでも業界を盛り上げていけると実感しています。常に学べる教育の場所が平等にあることは素晴らしいし、一緒に学ぶ美容師同士で絆も生まれています。もう1つ気づかされたのは、美容師のキャリアを問わず、伝えたい想いも日々の悩みや課題も、最終的に『教育』にいきつくということですね」

 

編集「川島さんご自身が、変わった部分もありますか」

川島「今、新規集客ではSNS発信が大切だということは周知の事実だと思います。分かってはいても、なかなかやるキッカケがなかったんですが、私自身もそのキッカケをもらいました。お店のスタッフも『Hairdresser Labo』を見て、配信される記事を読んで、毎日の技術やお客さまへの取り組み方が積極的になってきたと感じています」

 

編集「今後、目指すのはどのようなオンラインサロンですか」

川島「ひとまず『Hairdresser Labo』の1シーズン目は、3月で終わります。この半年間の情報をどう活用するかを今考えています。需要があれば、2シーズン目も展開してみたいですね」

 

経営者でもあり、教育者でもあり、いち美容師でもある。

美容室だけでなく、カフェも経営している。2代目だからこその、業界から一歩引いた視点。

その好奇心の旺盛さと行動力を存分に活かした川島さんの取り組みは「何か始めたいけど、キッカケがない」そんな1人ひとりの背中を押してくれるのではないだろうか。

 


『Hairdresser Labo』の入会は、こちらから(有料)
入会すれば、3月以降も蓄積された過去動画&コンテンツ記事の閲覧が可能。
※入会にはfacebookアカウントが必須。

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