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これからのサロン運営の指標は「人時生産性」
創業わずか3年で70店舗を成し遂げた
35歳リーダーの話

経営

2019.02.26.Tue

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 以前、美容室の経営を測る指標は売り上げでした。大きな数字を求める風潮が美容業界のブラックな環境を育ててきたともいえます。

 次に注目されたのは、従業員一人あたりの売り上げです。美容業界ではこれを生産性と呼んでいます。生産性が70万円なら社会保険に加入できるともいわれるように、人件費の目安になっています。アシスタントの戦力化や店販の強化が叫ばれるようになったのも、生産性が重視されるようになったからでしょう。

 そして今、新しい指標として最重要視されているのが「人時生産性」。生産性に時間の要素を加えたもので、従業員1人が1時間あたりに生み出す利益を表します。人時生産性が高いほど効率的に利益を生み出しているといえるのです。

 美容業界にも働き方改革が求められている今、人時生産性はもっとも重視すべき数字。適切な給与や労働時間、従業員数など、サロン経営のカギとなる各種の数字の根拠となるからです。これらの数字は働きやすさの指標でもあります。

 月刊『NEXT LEADER』2019年3月号(2/1発売)で取材した、長野県にある美容室Dearsのケースを髪書房WEBZINEで紹介します。

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▲月刊『NEXT LEADER』2019年3月号「人時生産性“超”入門」ページより抜粋。
監修◎橋本憲夫(カットルームグループ代表)

 


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Dears(長野県長野市)の場合

粗利 4,353,975÷総労働時間 805時間

(スタイリスト5名)

人時生産性 5,400円(2018年10月檀田店)

 

 

北原孝彦/Dears代表取締役 

きたはらたかひこ◎1983年6月4日長野県松本市生まれ。松本理美容専門学校卒業。専門学校卒業後12年間、美容室に勤務しながらアフィリエイトに取り組みWEB集客を学ぶ。そのスキルを活かし、地元長野で2015年にサロンオープン。高単価・高リピートの画期的なFCを全国に展開している。

写真◎金井真一 photo by SHINICHI KANAI

 

Dears(長野県長野市)
代表:北原孝彦
創業:2015年
店舗数:直営5店舗、FC65店舗
スタッフ数:130名
本社所在地:長野県長野市檀田2-30 -22
本社電話:026 -217-5380
H Phttps://dears-salon.com

 

「役割と環境があれば、人は辞めないし集まる」

求人難・集客難で店舗拡大しにくいこの時代に全国に、フランチャイズを急拡大しているサロンがある。昨年2018年だけで40店舗を出店、2015年の創業からわずか3年で70店舗になった今、話題の美容室Dears(ディアーズ)だ。

中心メニューはトリートメント、ウリは「髪質改善」である。個室ないしは半個室の空間で、マンツーマンで接客。アシスタントやレセプションはいない。「リピート前提でトレンドに左右されず、高単価、高生産性のビジネスモデルとは? その具現化が今の形です」とは、北原孝彦代表。

全体の人時生産性はなんと4860円。これまでの美容室経営の常識を疑い、不要なものを省いていった結果だという。たとえば、拘束時間。営業時間の長い美容室はこれまで、お客がいなくても「待機」しているのが常だった。しかしDearsでは完全予約制のため、予約のない時間にスタッフはいない。お客は来店時に次回予約を取っていくので、自分のスケジュールがコントロールしやすく、結果、休みも取りやすい環境になる。

新規は本部で集客。それを適正人数で分配するため、予約は常に埋まっている状態に。役割と環境があれば、人は辞めないし、集まると、北原さんは言う。

これまでの美容ビジネスの設計では、現場にひずみがいく。しかし、少し視点を変えることで、豊かになれる。「髪質改善」ですら、その選択肢にすぎないのだ。

「拘束時間が短いので必然、人時生産性は高くなりますが、じつはそれほど意識していません。見ているのは、1人あたりの利益」利益が出せれば、環境を整備し、スタッフに還元できる。そして環境があれば、人は辞めない――。Dearsの出店が止まらない理由はここにある。


 

高単価ビジネスモデル

お客の髪のお悩みも、スタッフの要望もすべて解決しようと思ったらこうなった。

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ムダをそぎ落とす9つの視点

徹底して省く。だから人時生産性が上がる。

 

1.高すぎる広告費

集客サイトには一切広告を出さない。広告は本社が一括して管理し、効果のあるブログやリスティング広告のみ。費用対効果の高いものだけに集中する。

 

2.過剰なスタッフ数

生産性が少ないのに人を増やすとさらに利益を圧迫する。結果その負担がスタッフにいくため給料も上がらず離職にもつながる。過剰な人数は負のスパイラルを招く。

 

3.高すぎる家賃

高額な家賃は美容室の単価に見合わない。適正を2~5席で10 ~ 20万円以内の家賃に設定。お客が溢れたら近隣に新しい店舗を出す。

 

4.ミーティング

毎日の朝礼や終礼は生産性のない時間。必要なことはグループラインなどで確認できる。

 

5.店長・管理職

Dearsでは管理者も必要ない。無駄な上下関係が人間関係を悪化させるからだ。現場の仕事に集中できる環境をつくった結果、離職者が減った。

 

6.数字を変えないトレーニング

結果につながらない練習は意味がない。基本中途採用のみだが、髪質改善技術はわずか14〜 30日で習得。

 

7.拘束時間

完全予約制のDearsでは予約がない時間帯はサロンにいなくてよいため、スタッフは出勤しない。お客がいないのにサロンにいる必要はない。

 

8.多すぎる薬剤と店販

使用する薬剤や商品が多いと、その習得だけでも多大な時間が必要になる。そこで使用薬剤を絞り、14 〜30日で髪質改善の技術をマスターする。在庫管理の時間も大幅に削減できる。

 

9.スタッフ間コミュニケーション

人間は5人以上集まると派閥をつくるもの。仕事と無関係な人間関係は負担になる場合も多いため、飲み会などの社内コミュニケーションは基本的にない。

 


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