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月刊NEXT LEADER 2025年9月号

月刊NEXT LEADER 2025年9月号

持続的成長のための重要課題

生産性100万円をめざす

人口減少時代に美容室がめさすべき長期的なゴールは「生産性の向上」にほかならない。
生産性の指標はサロンの立地や規模にもよるが、高い生産性は、賃金アップ、福利厚生の拡充、キャリアバスの整備など、さまざまな経営課題の解決をもたらしてくれるはずだ。
家計の節約志向もあり、値上げやメニューアップでの売上増が限界を迎える中で、
100万円以上の生産性を誇るサロンの取り組みに迫る。

【INTRODUCTION】
単価に頼れない時代の生産性向上プラン

【CASE 1】
飛び道具なきサロンの“ちりつも”高生産性戦略
ラ・ブランシェ(神奈川県藤沢市)

【CASE2】
スタッフの強みを伸ばし“稼げて休める”を実現
shes (大阪府大阪市)

【CASE 3】
創業から100万円達成の高生産性スキーム
ioe(大阪府大阪市)

【CASE 4】
4サイクルで全集中し店販を習慣化
Natural hair designing (栃木県宇都宮市)

【CASE 5】
生産性を飛躍させた傾聴型カウンセリング
zeze (徳島県徳島市)

【SPECIAL REPORT 1】
企業的進捗管理でさらに高みをめざす
dipty MOILA(大阪府大阪市)

【SPECIAL REPORT 2】
高単価・高回転で“価値”を提供する
OTOKO DESIGN (埼玉県新座市)

【Series】
ネクストリーダーのブレイクスルー Vol.9
田嶋朝弥/(株)Bond Story

  • Contents1

    【CASE1】飛び道具無サロンの“ちりつも”高生産性戦略(ラ・ブランシェ/神奈川県藤沢市)

    神奈川県内で7店舗を展開するラ・ブランシェは、飛び道具のない運営で高い生産性を実現している。各店舗にアシスタントを柔軟に配置し、タイマーを使わないオペレーションでチーム全体の意識を統一。カウンセリングの表現工夫や心理に寄り添う接客で、自然と次回来店を促す仕組みをつくっている。トレンドに左右されず、地道な改善を積み重ねる戦略が、持続的な成長につながっている。

  • Contents2

    【CASE2】スタッフの強みを伸ばし“稼げて休める”を実現(shes/大阪府大阪市)

    大阪府内で14店舗を展開するshesは、レディース・メンズで異なる戦略を持ちながら、高い次回予約率を共通項とするハイブリッド型経営を進めている。アシスタントを最大活用した予約枠管理や、40%の高歩合制度が高収益体質を支え、スタッフの裁量に任せたSNS集客と自由な労働環境が成果に直結している。稼げて休める柔軟なマネジメントが、スタッフの力を最大化し、組織の成長を後押ししている。

  • Contents3

    【CASE3】創業から100万円達成の高生産性スキーム(io7e/大阪府大阪市)

    大阪府内で9店舗の美容室を含む計17店舗を展開するioeは、創業からわずか3年で急成長を遂げた。高単価・低単価の両客層を広く取り込み、それぞれに応じた提案で単価アップを図る手法が特徴的だ。マニュアルに頼らず、考えて動ける自立型の人材を採用し、業務効率を最大化。教育や管理を手放すことで、人と組織のポテンシャルを最短距離で引き出す新しい成長モデルを構築している。

  • Contents4

    【CASE4】4サイクルで全集中し店販を習慣化(Natural hair designing/栃木県宇都宮市)

    栃木県、茨城県で7店舗を展開するNatural hair designingは、技術と店販の強化を1年ごとに交互に集中させる“二毛作”戦略で成果を上げてきた。提案トークのブラッシュアップや販促アイテムの充実により、商品購入が習慣化し、技術強化年にも無理なく売上が伸びる仕組みをつくっている。効率化と風土づくりを両立させるこのアプローチが、自然な形で生産性向上をもたらしている。

  • Contents5

    【CASE5】生産性を飛躍させた傾聴型カウンセリング(zeze/徳島県徳島市)

    徳島県内で17店舗を展開するzezeは、M&Aによって店舗数を急拡大しながらも、生産性の維持と向上を両立してきた。髪質改善メニューの導入や、傾聴型カウンセリングによる提案力の強化が客単価アップの鍵となっている。マイクロスコープやホワイトボードを用いた視覚的なカウンセリング手法も浸透しつつあり、顧客が通い続けたくなる理由を設計する姿勢が、持続的な成果を支えている。

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